院長ブログ

2013年12月 9日 月曜日

テトラサイクリン歯にジルコニアを被せる

テトラサイクリンとは、タンパク質合成を阻害し病原微生物増殖を抑えるように働くテトラサイクリン系の抗生物質の総称です。現在でも呼吸器疾患、皮膚疾患、ニキビの塗り薬などに用いられています。

このテトラサイクリンには蛍光粒子が含まれていて、歯の形成期(0~12歳)に服用すると歯の象牙質に着色を起こしてしまいます。しかも蛍光粒子は紫外線によって濃くなるため、生えたての歯では気付かなくても、段々と色が濃くなってゆき、薄い黄色、濃いオレンジ、茶色の縞模様、あるいは暗褐色など、様々な色に染まります。

このテトラサイクリンによって着色を起こした歯をテトラサイクリン歯といいます。

このテトラサイクリン歯にブリーチングを行うと、元々着色歯ですから、ホワイトニングの効果が期待できます。
 
如何ですか?かなり白くなったでしょう!
でも今回の依頼は右上側切歯の保険で被せたレジン歯が破損したので、これを治したいということです。一層のこと目に見える範囲すべてをジルコニアで被せれば、自由に色を選択できるので、比較的容易です。しかしそこまでは変えたくないのです。

歯の形と色は顔と同じように、その人、固有の形態と色艶を持っています。つまりその人のアイデンティティーそのものなのです。

先ずはレジン冠を取り除き、金属の支柱まで除去しました。そしてファイバーコアというガラス繊維入りの、白いハイブリッドレジンコアを建てました。

そしていよいよfinal(最終補綴物)の完成です。でもまだまだ、色合いがあってません。この白過ぎるジルコニアを歯に被せ、もう一度写真をたくさん撮りました。

技工士さんもさぞかし難しかったでしょう。そしてステインを入れ、もう一度焼成(炉に入れ、高温で焼く)してもらい、完成したのがこれです。
これが最終補綴物です!
やがて10ヶ月後、この患者様は今度は上あご左側犬歯のレジンが取れて、来院されました。このときはとりあえず、レジンで修復しました。でも審美的には色が合わず、継ぎ接ぎだらけの歯になりました。もう一度時間を頂戴し、今度はこの犬歯をジルコニアオールセラミックで被せる必要があります。
最初の焼成はこんな感じです。どんなに踏み入っても技工士さんは、リアルにこの患者様の歯の色、アイデンティティーを表現できません。
もう一度、写真撮影し、再度ステインを入れ、焼成をお願い致しました。そして完成したのがこれです。
僕は自分の仕事に満足をしました。でも患者様がポツリ『人工灯下では、綺麗なんだけど、自然光で見ると、ちょっと違うんだよね。』そうか、いくら頑張って人工灯下で歯を削って、写真をとっても、技工士さんも人工灯下でジルコニアを仕上げても、患者様は自然光でも人工灯下でもいろんな環境でこの歯を使わなければならないのです。まだ、完全なる治療は不可能なのか。

 



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